岸連山の襖絵 京都・相国寺長得院
相国寺の敷地内で
一番北にある塔頭の長得院。
武者隠し的なカクカクした道の
向かいに入口があります。
看板がなかったら通り過ぎるかも。
顎隠慧■(がくいんえかつ)によって
応永年間(1394〜1428)に創建。
当初は大幢院(だいどういん)
と呼ばれていましたが
室町幕府五代将軍の
義量の法号にちなんで
長得院となりました。
こちらは庫裡。
左側に玄関があり入ると
まず目に飛び込んでくるのは苔庭。
庭の塀が三段になっています。
庭の向こうがお墓になっているため
目隠しをする目的と
これ以上広くできないので
なるべく広く見せるためだとか。
ここから見える景色は
創建当時から変わらないのだそう(☆。☆)
この庭に面して岸連山の襖絵があります。
方丈は天明の大火で焼けており
その後に再建された時に
描かれたものだそうです。
岸連山(岸徳)は
江戸時代に一派を形成した
岸駒の婿養子。
岸派の三代目となり
京都御所の襖絵などを描きましたが
なかでも長得院の襖絵は
連山の代表作ともいえるもの。
普通やお弟子さんたちと一緒に
工房などで描いて持ってきますが
こちらの襖絵は52面すべてを
連山がひとりでこの場所で
描いたそうです(O_O)!
受付にて御朱印いただきました!
岸連山の襖絵は初めて見た
ような記憶ですが
柔和な描き方が特徴なのだそう。
でも一番奥にある「旦那の間」の
襖絵は「波涛鷲図(はとうわしず)」
といって羽ばたく鷲を描いた
ダイナミックなものでした!
これは旦那さん(大口の寄進をしてくれる方)
が出世されますように、と
願いを込めて羽ばたく姿に
なっているのだとか。
京都で鷲が描かれているのは
東寺などにもあるそうですが
羽を休めているものばかりで
今まさに羽ばたこうとしている
姿で描かれているのは
長得院だけなんだそうです。
ご本尊が細かく再現された印?
…ではなく印刷のようです。
今回は襖絵が主役ということで
仏間の襖が閉められていたため
ご本尊を拝むことはできないのです。
そのためこの御朱印で
その姿を想像して…
という意味で細かく再現された
お釈迦様が印刷されているのでは
とワタクシなりに解釈しました(;^_^A