美しき菩薩さまと亀の印 奈良・中宮寺
法隆寺の東院の中にあり
東院に来ると自動的に寄るような立地です。
ここにはすごく有名な観音さまがおられます。
前回、法隆寺に来た時は寄った記憶がないので
どうやら東院も拝観してなかったみたい…
7世紀前半頃の創建で、聖徳太子の母、
穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后の願いで
太子が御所としていた斑鳩宮を
お寺として創建したと伝わります。
創建当初は現在地より500mほど
東の位置にあったことが判明し
土壇が残っているそうです。
現在、拝観ができるのは本堂のみ。
この地に移転したのは門跡寺院となった
16世紀末のことだそうです。
火災で焼失し、子院があった現在地に避難。
旧地に戻ることができないまま
後伏見天皇の孫である尊智女王が住職となり
以後、尼門跡として現代に至ります。
現在の本堂は高松宮妃殿下の発願により
昭和43年(1968)に建立された現代建築。
周りには山吹が植えられているということで
そろそろ見頃なのではないでしょうか?
ご本尊は如意輪観世音菩薩。
菩薩半跏像という名で登録された国宝です。
アルカイック・スマイルといわれる
古典的微笑の典型だそうで
“世界三大微笑像”なんだとか!
飛鳥時代の作ということで面長さんですね。
独特の髪型、頭にリボン!?
肩に沿うように垂らした毛先など
表情よりも髪型に目がいってしまいました(^^;
本堂前で可憐に咲く酸桃の花。
美しい微笑の仏さまは
尼門跡寺院の本尊としてふさわしく。
尼門跡になったのは後ですが
きっとなるべくしてなったのかも。
そんな気さえおこさせる
気品高い微笑みなのでした。
御朱印は帳面を受付に預けました。
菊の御紋も美しいですが
寺印は亀になってる(@_@)!
これは中宮寺が所蔵するもうひとつの国宝
天寿国繡帳(てんじゅこくしゅうちょう)という
飛鳥時代の染織工芸品に亀が描かれているため。
天寿国繡帳とは聖徳太子が亡くなったあとに
后の橘大郎女が発願して
太子が往生している様子を刺繍させたもの。
4つの亀甲型があり
甲羅に四文字が書かれているということで
それに倣って「尼中宮寺」と入っています。
レプリカを本堂内で見ることができましたが
先に知っていたら亀を探したのに〜!
行かれる方はぜひ亀を探してみてくださいね。
以上、中宮寺でした。