伊藤若冲が造った五百羅漢の石仏 京都・石峰寺
石峰寺(せきほうじ)は黄檗宗の寺院。
伏見稲荷の南という立地ですが
ここが通常公開されているのは
あまり知られていないかも…。
伏見稲荷付近は平日でも
うんざりするほどの人混み…><
少し南に行くだけで静かな住宅地に。
上り坂の途中に駒札があり
後ろの階段を登っていきます。
中国式の山門に八重桜が!
緑も生い茂りカラフルなお出迎えですね。
建立は宝永年間(1704〜1711)ですが
昭和54年(1979)に放火で焼失。
本堂へ向かう参道。
参拝者はチラホラといった感じで
のんびりできるお寺です。
本堂は放火で焼失したあと
昭和60年(1985)に再建されたもの。
この時に本尊が薬師如来から
釈迦如来に変わったそうです。
本尊って変わることがあるんですね。
寛政年間(1789〜1801)に伊藤若冲が
草庵を結び、最期を迎えた場所でもあります。
伊藤若冲は錦の青物問屋に生まれ
23歳で家業を継いで40歳で隠居。
晩年は絵を描くことに専念していました。
天明の大火で家を失い転々としたあと
終の棲家として石峰寺の門前に
草庵を結んだそうです。
寛政12年(1800)9月10日に亡くなり
石峰寺に埋葬されました。
裏山に若冲が作ったという
五百羅漢の石仏があります。
この門を抜けて五百羅漢を見に。
竹藪の中にたくさんの石仏がありました。
信仰上の理由からか石仏の撮影は禁止。
風雨にさらされ丸みを帯びた石仏は
とても味があるように思いました。
そう造ったのか、時がそうさせたのか…
途中には若冲のお墓があります。
隣は幕末の書家・貫中海屋(ぬきなかいおく)の
撰文による筆塚だそうです。
ここから見る景色がいいんですよね。
ここだけ開けているのは
建物を造らないようにしているからだそう。
若冲にいつまでも景色を堪能してもらおう、と。
最初に預けていた御朱印帳を受け取ると
当て紙にも山門のイラストが!
カラーの当て紙も珍しいですね。
「高着眼」とは山門に掲げられた
額に書かれた言葉です。
着眼(目の付け所)を高く持つこと
というような意味でしょうか?
中央の印の石仏もいい表情出してます。
若冲ゆかりの石峰寺では
平成28年4月29〜5月5日と
命日に合わせた9月1日〜10日に
「石峰寺若冲展」が開催されます。
生誕三百年に合わせてゆかりの地で
イベントがおこなわれますので
若冲ファンの方はこれに合わせて
参拝されてみてはいかがでしょうか。
以上、石峰寺でした。
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