晴れときどき御朱印      from yumimi*

『かわいい京都 御朱印ブック』『京都の隠れた御朱印ブック』『かわいい奈良御朱印ブック』著者、御朱印オトメ部主宰の西村由美子(yumimi*)のブログ。京都のほか近畿地方を中心に巡った寺社の歴史や御朱印の情報を不定期にお届けします♪

即位を祝う御大礼の御朱印も登場 京都・玄武神社

 

一昨日は東京で即位パレードが行われ

改めてお祝いムードが広がっていますね。

天皇家との繋がりのある神社を参拝しました。

 

京都は四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)が守る街

として作られたことは

歴史に興味がある方はご存知だと思います。

京都の北面を守る神社として

玄武神社があることは知っていましたがなかなか行けず。

今回やっと伺うことができました。

 

 

 

 

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京都市北区紫野雲林院町に鎮座。

御祭神は文徳天皇の第一皇子、惟喬(これたか)親王です。

親王は承和11年(844)に誕生されました。

第一皇子なので皇太子になるお方なはずなのに

嘉祥3年(850)当時最も権威を持っていた藤原良房の娘で女御である

藤原明子が出産した第四皇子の惟人(これひと)親王

生後9ヶ月で皇太子とされたために立太子できなかったのです。

 

 

 

 

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本殿の向こうにデーンとマンションがある景観は

京都としては如何なものかと言われてしまいますが…

このマンションは最近できたわけではなさそうですけどね。

神社ができたのは元慶年間(877〜884)だそうで。

親王の母方の末裔が、悲運な生涯であった親王の御霊をお慰めし

また都の北面鎮護とこの地の守護神として創建されました。

親王の母は武内宿禰の末裔である紀名虎の娘、紀静子。

親王の祖父が所蔵していた御剣を御霊代として奉祀したと伝えられ

その子孫が神職として明治中期まで代々奉仕されていたそうです。

 

 

 

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社務所には人気がなかったので諦めていましたが

ピンポン押したら神社の方が出てきていただきました。

初めての参拝だったので、まずは通常の御朱印を。

玄武の図柄は亀に蛇が絡むもので

亀は長寿、蛇は商売繁盛を願うものだそうです。

縁起の良い印入りで嬉しいです。

ところで惟喬親王は、弟が即位してからは

山崎水無瀬(現在の大山崎町あたり)に閑居して

詩歌吟詠などをして文化人として過ごされました。

親王と縁深い在原業平が詠んだ歌に対しての返歌が

「夢かとも何か思はむ浮世をば そむかざりけむ程ぞくやしき」

都には残す思いがあったのかもしれません。

 

 

 

 

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先月から見開きの御朱印も授与されているということで

こちらには日の丸を掲げる惟喬親王(?)

親王って旗持ったりするのでしょうか??

ま、でもおそらく親王だと思われます。

ところで親王は色々な場所に住まわれていたようですが

山崎水無瀬のあとは江州小椋庄(現在の滋賀県東近江市)に住まわれ

その時に木地屋(木工製品を作る職人、木地師ともいう)に

轆轤の使い方を教えられたので轆轤の始祖として崇拝されています。

今では木地屋で調べると轆轤を使ってお椀などを作る職人と出ます。

いろんなところで活躍されていたのですね!

 

 

 

 

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お守りもいただきました。

重要無形民俗文化財に指定されているやすらい祭りは

玄武神社が発祥とされ、玄武やすらい祭りとして

毎年4月の第二日曜日に執り行われています。

鞍馬の火祭り太秦の牛祭りと並ぶ京都三大奇祭として有名。

現在は今宮神社でも行われているやすらい祭りですが

玄武やすらい祭りとしてはこちらが発祥なのだそう。

発祥を根拠とする古文書も残っている、と

ホームページには書かれていますがその詳細は書かれていません。

略記には元和2年(1616)にこの地域が火災に遭い

神事を行えなくなったので元和3年から5年の契約で

上野村に神事の代行をお願いしたそうです。

今宮神社周辺の住所が紫野上野町なので上野村とは今宮神社のこと?

5年の契約後もこの地域では神事ができず

「やがて両村の間に隔意が生じ、預け入れの何品も返却されず

当村での祭事は中断となった」と書かれています。

明治15年(1882)祭具を新調して神事を行うようになったそうです。

いろいろあったけれど現在ではどちらもうまくいっているよう。

またタイミングが合えば行ってみたいですね。

 

 

 

御朱印まとめ

拝受場所/社務所

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★「惟喬親王

 

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★「御大礼 玄武神社」(令和元年10月〜)800円

 

 

 

以上、玄武神社でした。