晴れときどき御朱印      from yumimi*

『かわいい京都 御朱印ブック』『京都の隠れた御朱印ブック』『かわいい奈良御朱印ブック』著者、御朱印オトメ部主宰の西村由美子(yumimi*)のブログ。京都のほか近畿地方を中心に巡った寺社の歴史や御朱印の情報を不定期にお届けします♪

海上安全を祈願する寺院 奈良・海龍王寺

 

11月に行った参拝記の続き。

法華寺からすぐ近くの海龍王寺へ。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117160112j:plain

奈良市法華寺町にあります。

アクセスは法華寺と同じく近鉄新大宮駅から徒歩17分

もしくはJR奈良駅近鉄奈良駅近鉄大和西大寺駅から

バスで法華寺下車。

元は和銅7年(710)平城京に都が遷されてから

藤原不比等の邸宅が建てられた場所。

不比等が亡くなったあとに

光明皇后が居住する皇后宮となりましたが

北東隅にある寺院は皇后宮内寺院として

「隅寺」「隅院」と呼ばれていました。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117161759j:plain

天平3年(731)光明皇后の発願により

唐から帰国した僧・玄を初代住持として

最新の仏教・仏法を伝えるための

寺院として創建されました。

しかし境内からは飛鳥時代の古瓦が出土しているので

それ以前から何らかの建物があったと思われるそうです。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117161838j:plain

本堂には木造本尊十一面観音立像などが

あったはずですが、あまり記憶になく…><

ところで天平6年(734)玄が唐から帰国の折、

東シナ海で暴風雨に遭遇します。

その時に海龍王経を唱えたことで

九死に一生を得て無事に帰国できました。

このことから聖武天皇より海龍王寺の寺号を賜り

遣唐使の渡海安全祈願をするお寺になりました。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117164623j:plain

重文の西金堂は奈良時代の建造物。

内部には国宝の五重小塔がありました。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117164754j:plain

総高4.01mで工芸品ではなく

建造物として国宝に指定されています。

そういえば元興寺にもこういう小塔あったなあ。

京都ではあまり見かけないので

奈良ならではの建造物なのかもしれません。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117164942j:plain

ちなみにこちらは真言律宗のお寺。

法華寺と同じく平安京遷都とともに衰退し

鎌倉時代叡尊によって復興されます。

現在も真言律宗なら「ぼさつの寺めぐり」に

入ってても良さそうなんだけど…?

いろんな事情により加入されてないみたい。。。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117170135j:plain

鎌倉時代の建物、経蔵は

わかりにくい場所にありました。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117170226j:plain

見所といえばそんなところで

こじんまりしたお寺なのでした。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20170117170310j:plain

受付に預けていた御朱印帳を受け取って終了。

「妙智力」とは、観音さまの不思議な力のこと。

物事を客観的に見て考察する知恵のこと。

そんな意味があるみたいです。

 

 

 

 

御朱印まとめ

拝受場所/拝観受付

f:id:yumimi-kyoto:20170117170736j:plain

★「妙智力」

 

 

★このほか大和北部八十八カ所第十九番「十一面観音」があります。

 

 

 

 

以上、海龍王寺でした。