晴れときどき御朱印      from yumimi*

『かわいい京都 御朱印ブック』『京都の隠れた御朱印ブック』『かわいい奈良御朱印ブック』著者、御朱印オトメ部主宰の西村由美子(yumimi*)のブログ。京都のほか近畿地方を中心に巡った寺社の歴史や御朱印の情報を不定期にお届けします♪

座って拝する神社 奈良・談山神社

 

室生寺からも飛鳥からも程近い紅葉の名所。

ですが時間がないワタクシは出直して

またまた桜井まで遠征してきました。

 

 

 

 

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桜井市多武峰(とうのみね)にある談山(たんざん)神社。

近鉄、JR桜井駅からバスで約25分。

11月27日までは奈良交通の臨時バスも出ています。

駐車場は第五パーキングまでありました。

こういう場合、第一パーキングが一番近い

と思ってしまいますが、ここは違いました。

第一に置けたとしても長い階段を降りた先に入口があります。

つまり帰りは長い階段を登るハメに…><

一番近いのは第五パーキングなんです。

第一が一番近いと思ったのにって文句言ってる人がいました^^;

お昼頃に到着しましたが広い第一も近い第五もいっぱいで。

平日でそんな感じでしたから週末はどうなることやら。

14時頃に帰る頃には空きがあったので早めに行くか

14時以降の遅め到着かずらしたほうがいいかも。

 

 

 

 

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参道にはお店が出ていて賑わっていました。

ちょっとした食事をできるところもありますが

あまりゆっくりできないので食べ歩き程度がいいかも。

 

 

 

 

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神仏分離以前は多武峰妙楽寺という寺院でした。

ご祭神の藤原鎌足(談山大明神、談山権現)は

中大兄皇子(後の天智天皇)と法興寺(現在の飛鳥寺)の

蹴鞠会で出逢い、この神社の裏山で談合し

大化の改新を成し遂げたのでした。

 

 

 

 

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石段を登って拝殿へ。

石垣があるということは

要塞としての機能もあったのかな?

 

 

 

 

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拝殿を下から見たの図。

中臣鎌足が藤原姓を賜ったのは天智天皇8年(669)。

藤原氏の始祖となった翌日に逝去。

鎌足のお墓は摂津国(現在の大阪府高槻市)にありましたが

天武天皇7年(678)唐から帰国した

長男の定慧(じょうえ)がこの地に移し

十三重塔と講堂(現在の拝殿)を建立して妙楽寺とします。

大宝元年(701)には神殿を建て御神像を安置しました。

 

 

 

 

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拝殿の入口です。

人が多くて変な構図になってしまいましたが…

正面の楼門で下足し、右側の拝殿へ進みます。

左側の授与所で朱印受付しているので

先に帳面を預けてから入るとよいでしょう。

ご祈祷でないのに靴を脱いで上がるのは珍しいかも。

 

 

 

 

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なんと中での撮影は三脚はNGですが

普通に撮影するのはOKでした。

本殿は嘉永3年(1850)の再建。

豪華絢爛な春日造の本殿が煌めいています。

この前で拝するわけですが

神社にあるアレがないんですよ。

来ましたよ、の意味で鳴らす鈴がないんです。

神社での作法としてはお賽銭を入れて鈴を鳴らし

二礼二拍手一礼が普通ですが

ここでは座って静かに拝むのが良いようで。

これが正式なお参りの仕方なのかわかりませんが

立って二礼二拍手一礼している人はいませんでした。

神仏習合なのだなあ、と改めて感じました。

 

 

 

 

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紅葉バックに並ぶ燈籠が美しくて。

人気の撮影スポットになっていました。

 

 

 

 

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拝殿内では東京国立博物館に寄託している

大威徳明王像」と関連する寺宝の展示が

12月11日までおこなわれていますが

それよりも『多武峰縁起絵巻』のほうに興味津々。

蘇我入鹿の首が飛んでいるところとか…!

 

 

 

 

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御朱印が出来上がっていました。

まずはご祭神の御影印のもの。

 

 

 

 

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拝殿を出ると目の前に十三重の塔が見えます。

藤原鎌足の追福のために長男の僧・定慧と

次男不比等によって天武天皇7年(678)に建立。

現在の塔は木造の十三重塔としては世界唯一のものだそう。

高さは約17m、屋根は伝統的な檜皮葺きです。

 

 

 

 

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平安時代には天台宗の僧を迎えたことから

宗派が違う興福寺とは争いが絶えなかったとか。

承安3年(1173)には興福寺衆徒によって

塔は焼かれ文治元年(1185)に再興。

その後も永享9年(1437)大和永享の乱

永正3年(1506)大和国一揆

永禄2年(1559)松永久秀に対する抵抗戦の多武峰合戦など

戦乱に巻き込まれることが多かったのですね。

現在の塔は享禄5年(1532)に再建されたもの。

 

 

 

 

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談山神社のシンボルとあって

撮影している人が多くなかなかうまく撮れません><

 

 

 

 

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変な構図ばかりになってしまいましたが

裏へ廻って撮ったこの写真がお気に入り。

室町時代の塔が今も健在なのは感動です。

 

 

 

 

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塔の近辺は人が多かったですが

紅葉は一番よかったです。

 

 

 

 

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こちらは天禄元年(970)創建された権殿。

祭神は芸能や芸術、魔除け、厄払いの神のマダラ神で

芸能や芸術の上達を祈る場所であり

舞や能の奉納される場所なので通常は上がれません。

現在の建物は室町時代の永正年間に再建されたもの。

 

 

 

 

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奥には摂社が建ち並びます。

 

 

 

 

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藤原鎌足墓所への登山口の横に

龍神社という小さな祠があります。

古神道では天上から神を迎え祭祀をおこなっていました。

ここでいう龍とは大和川の源流のひとつとされ

飛鳥時代に大陸から龍神信仰がやってきて

古来からの水神さまである高龗神と習合し

龍神社と呼ばれるようになったそうです。

一段とひんやりした空気がパワーを与えてくれる気がします。

 

 

 

 

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階段を降りて総社の拝殿に来ました。

総社は境内末社で木造の福禄寿神がでーんとおわします。

木彫りで大きさ3mって書いてあったかな!?

こんなに大きな福禄寿神は初めて見ました。

 

 

 

 

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大和七福八宝の福禄寿はこちらです。

御朱印は通常は帳面に書いていただけますが

紅葉シーズンは書き置きになるそうです。

サンプルは出ていませんのでもらい忘れ

授与所まで戻って受けてきました。

 

 

 

 

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拝殿の裏側に総社の本殿があります。

延長4年(926)に勧請したもので

日本最古の総社だそうです。

総社って…なんだっけ??

特定地域内の祭神を集めて祀った合祀神社のこと。

八百万の神が祀られているということです。

 

 

 

 

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拝殿側に廻るとスペースがありますがここはけまりの庭。

ここで春と秋にけまり祭がおこなわれます。

左正面に見えるのが権殿で右側にあるのが神廟拝所。

藤原鎌足の神像が祀られている場所です。

鎌足の像は教科書にも載っているものかな?

ヴェールがかけられしっかりとは見えませんでした。

他にも障壁画など宝物を見ることができます。

 

 

 

 

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対応する御朱印は「神廟」と「談山神社」。

 

 

 

 

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宮司さんが書かれた絵馬が飾られています。

歴史に戻り、天正13年(1585)秀吉の命により

郡山城下に遷されましたが天正18年(1590)に帰山。

家康によって復興されたそうですが葵の紋はなかったなあ。

室生寺には葵の紋がたくさんあったんですけどね。

明治2年(1869)神仏分離令によって僧徒が還俗。

大化の改新の談合を行なった場所の名前

談(かたら)い山にちなんで談山神社と改称され

別格官幣社に名を連ねて現在に至ります。

 

 

 

 

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参道の石階段へ戻って摂社の東殿へ。

別名・恋神社ですって!?

恋とは無縁の人生になってしまったけれど…行っとくか。

 

 

 

 

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藤原鎌足の夫人で万葉集歌人でもある

鏡女王(かがみのおおきみ)のほか

長男の定慧、次男藤原不比等を祀ります。

社殿は元和5年(1619)談山神社本殿の造替にともない

寛文8年(1668)に移築したもの。

 

 

 

 

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左側にはむすびの岩座(いわくら)があります。

講堂(現在の拝殿)を建てる時、光る石が発見され

神が宿る岩座として祀られました。

パンフレットの写真では赤い柵がありますが

現在では柵はなくなっているんですね。

撫でて縁結び祈願しておきましょう。

 

 

 

 

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拝殿の逆側を横目に見ながら下山。

 

 

 

 

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最後に、遠目から見た十三重塔。

紅葉に埋もれてる…!

さすが紅葉の名所ですね〜。

 

 

 

 

御朱印まとめ

拝受場所/拝殿横の授与所

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★左/「神廟」             右/「談山神社

 

 

 

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藤原鎌足公神像印

 

 

 

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★大和七福八宝「福禄寿神」(紅葉シーズンは書き置き)

 

 

 

以上、談山神社でした。