晴れときどき御朱印      from yumimi*

『かわいい京都 御朱印ブック』『京都の隠れた御朱印ブック』『かわいい奈良御朱印ブック』著者、御朱印オトメ部主宰の西村由美子(yumimi*)のブログ。京都のほか近畿地方を中心に巡った寺社の歴史や御朱印の情報を不定期にお届けします♪

秋薔薇の見頃も今週末まで! 奈良・霊山寺

 

飛鳥の御朱印めぐりの途中ですが

今週末までが見頃という

秋薔薇を見に霊山寺へ行ってきましたので

その模様をお届けします♪

 

 

 

 

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奈良市中町にある霊山寺(りょうせんじ)。

近鉄富雄駅から奈良交通バス「霊山寺」下車すぐ。

ですが、バスは1時間に1本しかなく…

薔薇の季節だからって臨時バスも出てないみたい。

富雄駅周辺には時間をつぶす場所もあまりなく…

電車で来られる場合は大和西大寺駅エキナカとかで時間調整して

バス時間に合わせて富雄駅に来られるといいですね。

駐車場はたくさんありましたが有料のようです。

 

 

 

 

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そんなに標高が高いわけではないのですが

けっこういい感じに色付いてきてますね。

大本山というから宗派は?と調べてみたら

霊山寺真言宗という独自の宗派だったんですね。

山号は登美山(とみやま)、鼻高ともいわれ

「大和國 登美山鼻高 霊山寺」が正式名称のよう。

 

 

 

 

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受付で入山料と本堂入堂料800円払い中へ。

まず通り抜けるのがこの大きな鳥居。

お寺に来たはずなのにまず鳥居からって

神仏習合が色濃く残っているなあっと。

神仏習合時代、仏教では天部の諸神を祀るところに

鳥居が建てられ結界としていました。

霊山寺には弘法大師が祀った辯才天があるということで

扁額にも「大辯才天」と書かれています。

 

 

 

 

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参道の途中にふたつめの鳥居。

この階段の上に辯天堂があり、その上に寺務所。

御朱印受付は寺務所なので先に行って預けようかと思いましたが

とりあえず本堂へ向かうことにしました。

このあたりの紅葉グラデーションがキレイ!

 

 

 

 

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急な階段を登って本堂へ。

古くからこの地は小野家の領地で

遣隋使小野妹子の息子、小野富人が

壬申の乱に関与したということで右大臣を辞め

この地(登美山)に閑居して

登美仙人もしくは鼻高仙人と称していたそう。

富人は登美山に薬師如来を祀り

薬草を栽培して薬湯を設けたそうです。

 

 

 

 

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本堂の奥もキレイなグラデーション紅葉!

歴史に戻り神亀5年(728)聖武天皇の皇女で

のちの孝謙天皇は病(ノイローゼ)に苦しんでいました。

ある晩、聖武天皇の枕元に鼻高仙人が現れ

登美山の薬師如来の霊験を説いたので

行基を登美山に遣わせて祈願させたところ病が平穏に。

天平6年(734)聖武天皇の勅命により行基が建立し

天平8年(736)霊山寺と名付けられました。

 

 

 

 

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本堂の裏側にあった銅像

寺伝では聖武天皇の勅願で行基が開いた

ことになっていますが史実としてはないそうで…(Wikipediaより)

開創の時期など中世以前は明らかではないのだとか。

戦争に巻き込まれていないので古いものが残っていて

本堂は弘安6年(1283)建立の鎌倉時代和洋仏堂。

本尊の薬師如来、日光・月光菩薩平安時代のもの。

この三体は普段は秘仏で春日厨子におさめられていますが

11月13日までは御開帳されています。

毎年この時期に開帳があるみたいですね。

内陣にはこのほかに十二神将大日如来

阿弥陀如来地蔵菩薩行基菩薩などが

所狭しと置かれていました。

説明があるかと思ってたらなかったのが残念。

 

 

 

 

f:id:yumimi-kyoto:20161111155840j:plain室町時代初期の創建といわれる

重要文化財の鐘楼を眺めながら

東へ下り寺務所へ。

 

 

 

 

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この門の向こう側に寺務所があり御朱印帳を預けます。

ワタクシは全部いただきましたので

書いてもらっている間は周辺を散策。

 

 

 

 

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寺務所の向かいの位置にあるのが辯天堂。

弁財天といえば琴か剣を持っているイメージでしたが

この弁財天さまは仏さまみたいだな?

って思ったら、本地仏仏教では神の正体とされる仏)である

聖観音を祀っているんですって。

 

 

 

 

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鳥居もきれいでしたけど、龍の香炉も社殿もキレイ。

昭和10年(1935)奥之院の大辧才天を勧請して

建立されたという新しい建物なのでした。

歴史はあるけど新しいものも多く

檀家さんが多いのかな?とか思ったり。

 

 

 

 

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社殿の西側には弁財天以外の六福神の像。

こちらもキレイで新しい。

 

 

 

 

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奥には金箔押の大弁財天が祀られている

黄金殿と珍しいプラチナ箔を使った白金殿。

しっかりと雨対策もされていて管理が行き届いてる感じ。

その分、光って良く見えないんだけどね…^^;

 

 

 

 

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寺務所に行って御朱印帳をお迎えに。

御朱印は全部で9種類あり、サンプルは出ていません。

札所印が違うだけで、あとはすべて

薬師如来と同じこと書きますがいいですか?

と言われましたが、全部同じではなかったですよ!?

まずは近くの弁天堂前で「大弁才天女尊」。

 

 

 

 

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本堂の近くで堂内に祀られている「薬師如来」と「阿弥陀如来」。

右側がお寺全体にかかるもので

一種類お願いすると自動的にこちらを書かれるようです。

左側は大和十三佛第十番のもの。

 

 

 

 

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本堂の奥へ行くと扉が閉まったお堂があります。

これが地蔵院ですが、中には何もないそうで。

本堂に祀られている地蔵さんが

元いた場所ということかな?

御朱印は仏塔古寺第五番のもの。

 

 

 

 

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地蔵院の奥にある鳥居から奥之院までは坂道を1km。

弘法大師が感得した大龍神を辯才天として祀る

霊山寺の信仰の中心となる場所ですが

ちょっと遠いし道のりこわい…><

なのでここでヤメておきます。

 

 

 

 

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本堂の前の橋を渡って三重塔方面へ行きます。

まずは階段を登って開山大師堂へ。

 

 

 

 

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細くて急な道を登ると開けたところに三重塔。

鎌倉時代中期の建立という

高さ17m、桧皮葺の塔の初層には

極彩色の壁画が保存状態よく残っていて

11月3日のみ内部公開されるそうです。

 

 

 

 

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三重塔の隣には行者堂があります。

神変大菩薩(役行者)を祀るお堂ですが

役行者とどんな関係があったんだろう??

 

 

 

 

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御朱印は役行者霊蹟札所のものです。

この巡礼には札所番号はないようです。

 

 

 

 

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その他の御朱印は割愛させていただきます。

こんなに違うのにサンプル出さないなんて…

初心者には難しすぎますね。

 

 

 

 

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参道を降りてきたらなにやら仏さまが並んでいます。

生まれ年の十二支と生まれ星座の本尊だそう。

 

 

 

 

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こちらもピカピカしていますが

なんでも「辯才天のお告げ」として昭和の後半ごろから

いろいろと造られてきたようです。

 

 

 

 

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その下には薬師湯という温泉施設があります。

鼻高仙人が造ったという薬師湯が

今では温泉となって入れるんですね!

ところがこの日はお休み…><

隣には食事処や売店もありましたがこちらも休み。

このあたりには食事する場所がないので

開いていたら貴重な場所かもしれません。

 

 

 

 

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最後に楽しみにしていたバラ園へ!

第二次世界大戦シベリアに抑留された当時の住職が

世界平和を願って造ったという庭園。

本堂の鬼門(北東)にあり、鬼門にはトゲのある木を植える

という習わしに倣ってバラを植えたとのことです。

 

 

 

 

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しかしですね…秋薔薇のピークは過ぎていたようで><

パラパラとしか残ってなかった…(T_T)

見頃は10月中旬〜11月中旬とのことですが

10月中に訪れたほうがよかったかも。

 

 

 

 

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寄って見るとなんとか咲いてる感が出ているでしょうか。

秘仏公開も今週末までだし

秋薔薇もそれくらいまでかなーと思います。

また5月頃に訪れられたらいいな。

 

 

 

 

御朱印まとめ

拝受場所/寺務所

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★左・大和十三佛第十番「阿弥陀如来」 右・「本尊 薬師如来

 

 

 

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★仏塔古寺霊場第五番「地蔵菩薩

 

 

 

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★左・「大弁才天女尊」        右・役行者霊蹟札所「神変大菩薩」

 

 

 

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左・大和北部八十八カ所霊場三十二番「延命地蔵菩薩」

右・大和北部八十八カ所霊場三十一番「本尊 薬師如来

 

 

 

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左・大和地蔵十福「地蔵尊」  右・西国薬師四十九霊場第二番「本尊 薬師如来

 

 

 

以上、霊山寺でした。