明朝体のルーツ・一切経版木を所蔵 京都・宝蔵院
先日、手作り御朱印帳イベントのご案内をしました。
開催場所の宝善院は萬福寺の塔頭ですが
本山以外はまだ行ったことがなかったので
イベントで来られた際に寄ってみるのに
よさそうな場所を探してきました。
今回はお隣の宝蔵院さんへ。
山門に掲げられた看板には「鉄眼版一切経版木」収蔵庫と。
いったい何なんでしょう? ということで入ってみます。
(宝善院よりは入りやすい雰囲気でホッ…^^)
寛文9年(1669)鉄眼禅師が隠元禅師よりこの地を賜り
一切経版木の蔵、印刷所として建立しました。
お寺として建てたわけではなかったんですね。。。
玄関にはお地蔵さんが立っておられました。
これでなんとなくお寺っぽいですが、正面から入るわけではありません。
ピンポンを押して拝観したい旨を伝えると…
建物の裏にあるこちらに案内されました。
ここに一切経の版木が所蔵されているのです。
社会全般のあらゆる面を説き明らかにしたもので
仏教百科事典とも言うべきものだそうです。
現在使われているお経は、各宗派とも
この一切経のうちに含まれているとのことで
お経の原点ともいえるものじゃないでしょうか。
受付で拝観料300円納め、この時に御朱印帳も預けました。
中に入って簡単な説明がありましたが
すごい数の版木に驚き! 6万枚あるそうです。
こちらはレプリカですが、本物は延宝6年(1678)に完成した重要文化財。
インドでできた経文は梵文(梵字の文章ということかな?)で
日本に広めたのが鉄眼禅師ということだそうです。
版木を印刷したもの。
この形式が400字詰め原稿用紙の元となり
字は明朝体のルーツと言われています。
原稿用紙、最近は使わなくなりましたが…
こんなところにルーツがあったなんて、とまた驚き。
現在でも使われているということで刷り師さんがおられました。
現在までに約2000部が刷られている、とのこと。
現代的には「え、まだ2000部!?」とか思っちゃいますが…。
刷るのには時間もお金もかかるんでしょうね〜。。。
二階には鉄眼禅師が祀られていました。
すべて撮影OKとのことで遠慮なく…でもうまく写ってない><
鉄眼禅師は、日本に一切経がなかったことを嘆き
師の隠元禅師に懇願して、この場所を賜ったとか。
日本に印刷技術を広めたパイオニアとして仰がれています。
ワタクシも出版業に関わるひとりとして
ここを訪れることができてよかった、と思いました。
隣には韋駄天さまが!(写真ブレててすいません…)
萬福寺といえばイケメンの韋駄天!
こちらの韋駄天さまもなかなかのイケメンでした。
少し口角が上がっているところが…♡
戻ってもう一度ピンポン押したら
ご住職が御朱印帳を持って来てくださいました。
書かれる言葉は「鉄眼一切経」。
仏さまと同じ、ということでしょうか。
ちょっと珍しい一枚なのではないかと思います。
御朱印まとめ
拝受場所/拝観受付
★「鉄眼一切経」
以上、宝蔵院でした。